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頑なに「立ったままで」と言った彼女に、「それじゃ私が落ち着かないから!」と強く言って座ってもらうようにした。
だって、相手が立ったままで私が座ってるって、なんか嫌じゃない。
「それで、どうしたの?」
「実は本日午後から、春華様にお会いになりたいという娘がおりまして」
「私に?」
なんだか、あまり気乗りはしない。
思い出すのは昨日のあの冷たい視線だ。
儀式だってなら逃げないけれど、プライベートまであんな目で見られたくはない。疲れるし。
けれど、李燕の表情は比較的穏やかなままだ。
少なくともその女の子達は、私に悪意は持っていないのだろう。
「同じ年頃の話し相手などがおりますれば、色々と気になる事を聞けますし、気兼ねなく話せる内容もあるかと思いまして。一応貴族の子女ではありますが、春華様にも他の皆様にも好意的な家柄の娘ですので、ご安心下さい」
おぉ、女子トークという奴か!
そういえば、最近そういうことをしていない。学校の専門性からか、圧倒的に女子が多い学校だったから、とにかくよく話した。
思えば最近は、人生でもこんなにか! ってくらい、男の人としか話していない。しかも年上。
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