最低な婚儀

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最低な婚儀

 噂拡散作戦は思った以上に効果的だった。  翌日には貴族中心にあちこちに噂が飛んで、まるでお祭りみたいな騒ぎになった。  と、いう噂しか私は聞いていないけれどね。なんせ暫く離宮から外に出ていないから。  思った以上に話しが拡散したので、今不用意に出るのは危険と判断されてしまったのだ。まぁ、これも覚悟していたから落ち着いていられたけれど。  私の生活は意外と忙しい。紫廉にお願いして、龍玉の使い方をあれこれ練習している。藍善は昼食の時間こちらに戻ってきて、私に体術を教えてくれている。午後には黒秦さんに歴史を習い、李燕からも礼儀を教わっている。  そんなこんなで三日程経って、私は念願の職場に戻る事となった。 「春華様!」  紅泉に連れられて懐かしの戸部へと足を踏み入れると、待っていたらしい黒翠さんが私に走り寄ってガシッと抱きすくめてくる。紅泉以上に長身だから、肩に腕を回して抱き込まれるとちょっと大変だ。 「黒翠さん!」 「心配いたしました! あれ以来、姿も見えませんし。お噂ばかり聞かされて、実際はどのような様子なのか。本当に、お元気そうで安心しました」  それを聞いて、私も気持ちがほっこりした。     
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