恋愛トーク

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恋愛トーク

 数日は比較的平和に過ぎた。  と言っても、私にしたら物凄く暇な時間に思えた。みんな仕事があるのだから、日中は一人の時間が多い。習い事があっても、時間が余る。  現在私はこちらに来て習った刺繍をしている。これがまた、いい時間つぶしだ。  最初は慣れなかったけれど、元々のめりこむタイプだ。慣れれば夢中になってやってしまう。  結果、結構な大作ができようとしている。 「春華様は、本当に器用でいらっしゃいますわ」  真っ白い服に夢中で刺繍している私を見て、李燕は感心したように呟く。  四日かかって、真っ白だった服に色鮮やかな花と蝶の刺繍をしてみた。  下絵を描いて、そこに糸を当てて。  とにかくこのくらいしか時間を潰す方法が今の所見つからない。 「うーん、でも体が強張るよ」  うんと腕を上へ伸ばして背筋を伸ばす。少し「バキ」と音がした。 「揉みましょうか?」 「いいの?」 「勿論でございますわ」  とびきり嬉しそうにして、李燕は香油の壺を持ってくる。  私は寝台にうつ伏せになった。  温かな体温が疲れた腰や背を温め伸ばすように動くのはとても気持ちがいい。まさに極楽だ。 「李燕にも、今度何か作るね」 「そんな、勿体ないことですわ」     
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