お茶会

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お茶会

 お茶会当日は、それは騒がしい事になった。  花離宮の縁台に広げた赤い敷物や、出した椅子と卓を物珍しそうに眺める女官さん達。それは事を知らない白縁以外の彼等も同じだった。 「お茶会に呼ばれてきたけれど、これは一体何を始めるつもりかな?」  黒耀が辺りを見回して言う。私はそんな皆の前に出て、お茶会のルール説明をし始めた。 「皆さん、本日は私主催のお茶会にお越し下さり、有難うございます。本日のお茶会は少し趣向を変えまして、私の世界のお茶会を模してみました」  白縁が貸してくれた小さな杖のような物を使うと、拡声された私の言葉が皆に届く。これは風の龍の力らしい。拡声器だ。 「本日は立食式のお茶会です。皆さん好きな場所で、好きな物を皿に取って食事とお茶を楽しんで下さい。あっ、お茶は各人で好きな茶葉を使って淹れてくださいね」 「立食…」  目を丸くしている紅泉が、用意した机を見る。  そこには白髪に褐色の肌の女の人がせっせと蒸籠から沢山の点心を出していた。 「本日の食事提供は、藍温酒家さんにお願いしました。用意した物がなくなった時点でその点心は終わりになるので、お早くお願いしますね」     
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