十六君の冒険 『龍神乃剣』 第二章 「 家 族 」

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病院の寮があるのでそこに引っ越したのである。 礼子ちゃんは、毎日のようにインターネットを介して、音楽療法の事、 子供達の事などを熱く語ったのである。 時々は敬二郎さんを交えた三者会話も行った。 その中で、世界宇宙観測機構の最近の発表で、2022年に、 地球に最接近する恐れのある巨大暗黒惑星が発見され、 その惑星は、「Astolat(黒騎士)」と命名されたのである。 それは、かなりの確率で地球に接近するようで、 衝突は免れても予想もつかない甚大な被害を地球にもたらすとの事だ。 敬二郎さんの話では、2022年に地球に最接近するこの暗黒惑星は すでに、太古の言い伝えを記録したと言われる「龍宮神事」の中に、 「黒妖星(こくようせい)」として登場する。 黒妖星が地球に最接近する際に「黒い炎」を地球に向かって吐き出す。 その炎は目に見えず、熱波と強風を伴ってこの星の半分を壊滅的に 焼き尽くすだろう。 また、海水の半分は蒸発してしまうだろう・・と、ある。 しかし、龍神剣を受け継ぐ者が終末の世に現れ、その男が被害を 三分の一に食い止めるであろう・・ と、あるそうだ。 礼子ちゃんが東京に戻って以来、友達のいない私は話し相手もなく、 毎日が退屈の日々であった。     
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