十六君の冒険 『龍神乃剣』 第二章 「 家 族 」

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それで、以前のように一人で地域の面白い言い伝えなどを探して、 海辺や山間部をカメラを持ってドライブがてらに出かける事が多く、 近場だけでなく、遠出もしていた。 最近は、辺ぴな漁村や山里にもカフェのようなお店ができている。 そのほとんどは女性経営で、週三日くらいの営業で車で1~2時間かけて 町から通っているのだ。 私はそんなお店を見つけた時は必ず立ち寄ってみた。 礼子ちゃんが東京に戻ってから半月経った四月の下旬頃に、あの女屋敷の お爺さんから電話があった。 お爺さん夫婦は来週には東京に住む息子と一緒に生活することになり、 そこを引き払って東京に移住することになったのだが、 ネコを連れて行けないのが心残りだと嘆いておられたので、 私がその子を飼ってもいいですよ、と言ったらとても喜んでおられた。 それで早速に翌日には、お爺さん宅を訪ねたのである。 お爺さん夫婦は縁側に出て私を待っておられた。 お婆さんはその膝に眠そううなネコを乗せて頭をナデナデしている。 私の姿を見ると、夫婦は手を振って喜んでくれた。 ネコもお婆さんの膝から飛び降りて私の足元にまとわりついて来た。 お爺さんも、お婆さんも、安堵の笑みを浮かべ、私を拝んだ。 お婆さんが、     
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