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ありゃあと思うので俺はもう一回提案してみる。
「もう一回登ろうか?」
コータくんとソータくんは、ふるふると首を降る。
「ううん。一匹でいいの。だけど、お兄ちゃんが頑張ってくれたのに……」
ああ、この子たち優しいなと嬉しくなる。
「いいんだよ。コータくんとソータくんが満足なら、俺は嬉しい。だから泣くな」
驚いた顔をした二人は、いきなり俺に背を向けて何か相談をはじめた。
「どうした?」
そう声をかけると二人は振り向いて叫ぶ。
「このカブトムシ、お兄ちゃんにあげる!」
へ?カブトムシ欲しかったんじゃないの?
「欲しかったんじゃないの?」
「うん!お兄ちゃん、コンビニで飼ってて!そうしたら、僕ら、お兄ちゃんにもカブトムシにも会いにいけるから!」
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