ゆーじょーのあかし

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「いいの?」 二人の声がそろう。 「ゆーじょーのあかしだから!」 俺はプッと笑ってカブトムシが入った虫籠を受けとる。 「いつでも、おいで」 それから、手を引きコンビニまで戻り二人とサヨナラしてから、俺は店に入り、レジの店長に声をかける。 「店長、残業代いらないから、これを置かせてください」 店長のカブトムシの入った虫籠を見せる。 「別に構わないが、あの子たちにやらないのか?」 「これは、俺とあの子たちのカブトムシです。だから、ここにあれば、あの子たちは見に来ます」 「そうか、だけど、なんで残業代もいらないんだい?」 「この『ゆーじょーのあかし』に時給なんていりませんよ!」 店長は面食らっていたが、これでいい。 可愛い友達が出来たんだからさ! 了
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