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ほほほと言って客の前に出したのは、ん~ブルドッグ? 10オンスグラスに薄黄色の液体。 「いつものでいいのかしら?」 「任せるわ」 マスターが厨房に消えた。 「ね。それブルドッグ?あ。俺リョウっての。宜しくう」 兄さん睨むなよな。だって気になるじゃん、同じカウンター席で飲んでるんだから。見たところ常連さんぽいし。浩司は無反応でビールグラス煽ってっけどさ。 「違うよーこれグレイハウンド」 「へー。グレイハウンド。ってブルドッグじゃん!」 「チッチッチッ。ブルドッグとグレイハウンドは似て非なるものさ!何でかってえとお」 いつの間にやら、タナカくうんが俺の隣に移動してきてうんちくうんちくうんちくん。 浩司はシャカシャカとタブレットを弄ってる。 仕事の連絡入ったのかな。 おっと電話が鳴った。 浩司が俺をちらっと見る。 気にせず行けよ。手の甲でしっしっ。 浩司はタブレットと手帳を持って奥のテーブルに移動。 俺は浩司の仕事してる姿が好きだ。というか一つの事にがっつり打ち込むその姿勢が好きだ。シャッター切ってもいいなら既にこの時間だけでアルバム5冊はいくね。俺は邪魔せずにこのタナカくんと遊んでよおっと。 「ハイお待たせー。あんた達のも出来たわよ」 目の前にピザ、生春巻、グラタン、フルーツ盛り合わせ。 「あれ?浩司注文してたの?」 「遼くん来たらすぐ食べれるようにしてくれって電話注文されてたの」 思わず吹き出す。こういう所抜かりがないな。意外と美那さんの影響なのかも。あー二人の子供になりたい! 「はい、田中くうん」 「サンキュ、マスター」 ん? サンドイッチ? 美味しそうだけどさ。
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