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見つかってもわからないように。体どころか口すらも覆って。ここにいるよって知らせてる。その歌声は熊よけの鈴のようで。チップが白けさせるなら、?の赤らむレモネード。チップが白けさせるなら、鈴虫花が散るまでは
ひしゃげた段ボールより聞こえる声。粘着質な布テープ、抵抗を楽しむかのように。糸を引く口、切り裂いて。取り出したるは遠い日の、色褪せ方知らぬ青写真。ああ、煩いな。放っておいてよ、世間サマ。僕はまだ子供でいたいのだ
振り落とされないように抱きしめて。背中に頬ずり、心の声を聴いて。世界の腹の中にいながら、世界に背いた僕らの。ドッドッ。鉄の逃げ馬の蹄の音は。座礁しそうな胃壁を削る、潮騒が庇ってくれるから。ねんねんころりよ、おころりよ
お餅みたいに丸い月。なんだか素っ気ない太陽。あの柔軟性はどこへやら。ちらと窺うことも、ヘソを曲げることも、あなたなしではできないと。睫毛が重なりそうな目を、ただ見つめ返す中秋の名月
中華料理屋の、錆びついた油汚れの換気扇。絡めとられたところで、指すら落とせないだろうけど。あの狭間を超えて、ひっくりかえったポリバケツの上で、尾を噛む猫の額を撫ぜて。邪魔するもののない、洗剤臭くもない空へ
口に合わない缶ジュース、逆さ吊りにして。熱した鉄板の上を思わせる歪んだ道を急いだ。足跡がわりに残された泡沫は、僕が振り返るのも待たずに。甘党のアスファルト、そんなにお気に召したなら。噛み切られた唇にしみるスパークリング
枯葉色のカマキリ。閉じなくなった傘。つま先が濡れる軒。呼吸の度に漏れる霧。シャッター、お前も寒いのか。私の背中から熱を奪って。シャッター、お前も独りなのか。わずかに返す熱は、私の袖を引いて。トレンチコートのマネキン
僕の網膜にバグスが住み着いた
血走った目から栄養分横取りして
日毎に大きく、トゲトゲしく
視界を縁取ってゆく
どうにかならないもんかって
試してみないわけがない
鼻の奥がツンとする目薬は
いろめく僕を浮き彫りにするだけだったから
こぼすのやめた
気遣って、吐き出せないで、殻に閉じ込めた 消化されない、血よりも濃い、どろどろは 自分で自分に溺れて、泡を吹きながら、翅を乾かす時を待つ
さあ、羽ばたけ 薄汚い翅背負って 鏡で確認できる角度では見つけられなかったかもしれないが 今、輝いてる 釘づけにするメタリックブルー
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