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支柱の腐った金網に、飛び上がって足を刺す。後ろ足だけじゃ寂しいだろ、前足も空っぽの頭もだ。クズ呼ばわりは慣れっこだが、ハエ叩きに潰されたくはない。倒れきる前に乗り越えて、次の金網に乗り移れ。夜が怖いなら、西の空を追え
公務員かよ、定時を守ってお日様は、西の空に帰ってく。行き場なくし、座り込んだ僕らは、蹴り潰そうとした空のスチール缶にすら笑われてる。ぐわんと空っぽに響くのが嫌なら、馴れ合いの中に孤独を見出すなら。夜が怖いなら、西の空を追え
そこで待ってる、きっと待ってる。望んだものかはわからない。でも、でも、そこに行かなきゃわからない。だから、夜が怖いなら、西の空を追え。
元が泥水でも、枯れ葉が混じっていようとも、人工物より遥かに透き通って見えるのはなぜなんだろう。せっかちな僕らからすれば、息がつまるような時間をかけて、熱を奪うからだろうか。奪われた熱はどこにぞ消える。春と割れるは浅い湖
喧騒の中に身を投げると、どこまでが自分で、どこからが自分じゃないのか、わからなくなる。目の色も肌の色も違うのに、ぼくらはどこかで共振している。掻き分けて君を探すには、社会の雲は厚すぎて。ここにいるよとひとりごと
貼りつけてから数年は経ったシールのように、脳裏から引き剥がそうにも跡を残す記憶。それは静的ながら印象強く、寝台の脚にもたれる私を圧迫する。青白く世界を焼く月光よ、どうか焼き潰してくれまいか、と見上げる私に、朝は叢雲
どうか傾聴ください。どうか傾聴ください。繰り返しお伝えします。どうか傾聴ください。
拙い言葉なんだ。声は震えてるし。プッと笑われたなら、二度と届きはしないだろう。
聞こえのいいメロディーだって、聞き流されて、マスクしたティッシュ配りと一緒に、NO!と言われちゃう。性善説を唱える気はないが、信じてみてもいいんじゃないか。君と、君と君と君と。君と、君と君と君を。
どうか傾聴ください。どうか傾聴ください。繰り返しお伝えします。どうか傾聴ください…
近づきすぎてはないか、モザイクアートの一部を、睨んで悩んじゃいないか、わからない自分を責めてはいないか。
聞こえのいいメロディーだって、聞き流されて、マスクしたティッシュ配りと一緒に、NO!と言われちゃう。性善説を唱える気はないが、信じてみてもいいんじゃないか。君と、君と君と君と。君と、君と君と君を。
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