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目の縁からスッーと何かが流れていく。
「う、う、う・・・・・・龍太・・・・・龍太・・・・龍太・うう・う・・う」
心にいばらが絡みついて締め付けられる。 無数の棘が私の心に突き刺さり私の心はボロボロになりかけていた。
何時間寝ただろうか。カーテンを開けて保健室内の時計を見ると、四時十三分を指していた。
すぐ側に鏡があったが自分が今どんな顔をしているのかなんて見たくなかった。
私は保健室を出て、校門を潜る。
すると、そこには、いつも通りの景色が広がっていた。
爛々と太陽に照りつけられて黄金に輝いている小麦畑、ザザザと森が震えている爽やかな音、そして、近くには川の涼しげな水音が聞こえてきた。
そんな普段気にしない日常の出来事に私は胸が締め付けられ、また、安らぎを感じる自分がいた。
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