29(承前)

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「目標戦闘訓練時間は正午までの5時間だ」  ヒューっと口笛を吹く音が聞こえた。ディスプレイにはチーム全員の顔がちいさく浮かんでいる。お調子者のクニだった。 「そいつはずいぶんと長いな。だが、いったいどうすんだ。おれのAIは予想の平均で90分とかいってたぞ」  テルがにやりと笑っていった。狙撃銃の轟音が鳴って、敵の悲鳴がススキ野原に響いた。サイコがスコープに目を当てたままいう。 「おしゃべりはいいわ。なにをすればいいのか教えて」  ジャクヤがひょうひょうという。 「賛成。ぼくらはジョージの4軍に負ける訳にはいかんよ。指揮官としてタツオよりジョージのほうが優秀ということになったら、しゃれにならへん」 「ぼくとジョージがどうという問題じゃない。だけど、このまま1位を譲ることはできない」
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