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タツオが右手をあげると静かになった。ぱらぱらと敵の銃撃が散発的に演習場に響いている。さすがに60分ではまだ脱落したチームはないようだ。
「この丘の上に支援部隊を残していく。まず歩けないクニ、それに狙撃手としてマルミ。クニはマルミを補助してくれ。本隊が突入するときは支援を頼む」
「はい」
重い狙撃銃をもって、敵陣へ進攻するのは運動能力に優れたサイコのほうがいいだろう。それにクニは案外冷静に戦況を読む目がある。
「指揮はクニに頼む」
「おーまかせとけ。なんなら、おれがこのチームの指揮官になってもいいぜ」
テルが模擬銃の射撃を受けてカチカチに固まったクニの足を蹴りあげた。
「調子に乗んな」
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