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「いつまでゲームしてるの?」
「日曜日くらいゲームしてもいいじゃないか」
僕の通う小学校では、最近発売されたRPGゲームが流行っていた。話題に乗り遅れない為にも、ゲームの攻略を急いでいる。
「日曜日くらいって言うけど、毎日やってるでしょ。それより買い物に行ってよ。調味料を切らしちゃって、夜ご飯が作れないのよ」
「自分で行けば?」
「夜ご飯はいらないのね?」
「……行ってきます」
先週、冗談でいらないと言ったら本当に夜ご飯抜きだった。深いため息を吐きながら、買うべき物が書かれたメモを受け取る。
「お金は?」
「父ちゃんから貰って」
父ちゃんを探そうとしたら、既に玄関でスタンバイしていた。
「俺は良太の言いたい事が分かるぞ。ゲームで冒険をしていたいのだな? だが、冒険はゲームじゃなくても出来る。さあ、一緒に冒険へ出掛けよう!」
嫌な予感しかしないが、父ちゃんが仲間に加わった。
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