プロの扉に手をかけて…

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プロの扉に手をかけて…

 日本で一番サッカーが盛んな地域、静岡県の強豪校、駿府学園。  県内でも南米スタイルのパスサッカーを特徴とする名門だった。  そんな駿府学園で、レギュラーとして活躍する近藤孝行は、その将来を期待されながら学園生活を過ごしていた。 ◆ 「ヘイ!パス!」  オフサイドラインを上手くすり抜けて前線に飛び出した近藤孝行は、中盤の選手にパスを要求して見事にGKと1対1の状況を作り出し、そのままボールをネットに突き刺した。  かと思うと、一旦中盤に下がった時はドリブルで状況を打開して、前線に抜け出すと再びゴールネットを揺らした。  FWとしてマルチな働きをみせて自チームに貢献した。 ピッピッピー!  3回のホイッスル、最後の一回が延びた事で、それが試合終了を告げる合図だった。 「よし、練習試合は終わりだ。各自休憩をとるように」  と言う監督の声に、部員はそれぞれに汗を拭いたりスポーツドリンクを補給して休みだした。  この学園のパスサッカーを志向するのは、この部の監督、飯田である。  部員が休んでいる中で、その飯田監督は近藤に近づいて声を掛けた。 「近藤、最近調子が良いじゃないか」     
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