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「佐藤あかりさん。白梅高校1年生ですね。本日は面接にお越しいただき、ありがとうございます。この店舗のオーナー、江上亮(えがみりょう)と申します」
あかりにとって、初めてのバイト。しかもお母さんに秘密だ。
お母さんに言ったら、「そんな事するより高校生活を楽しみなさい」と言われるに決まっている。
でも、高卒のお母さんの稼ぎが少ないことは、あかりは良く分かっている。
江上店長は50歳くらいの大柄で、髪の毛が少々薄くなった方だ。
「いやぁ、歳とると目が悪くなってね」茶色い目を近づけ、履歴書を見る。
ハンコや誤字脱字のせいで、何度も書き直した渾身の文章だ。
写真は思い切り笑顔が写ったものを貼った。丸顔に短い髪。美人ではないかもしれないけれど、そう悪くはないと思っている。ただ、写真機で撮影したものだから、本物の写真屋さんで撮れば良かったなぁと今更ながら後悔した。
「どうぞ、お掛け下さい」
「失礼します」あかりは一礼して、パイプ椅子に腰かけた。
コンビニの裏側は、金庫や、防犯カメラの映像、スタッフのロッカーがある。初めてコンビニの内部を見て、室内を眺めたくなったけど、面接の印象が悪くなりそうなので我慢した。
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