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「さぁ、どれでも食った食った!」
コンビニの袋を鏡子の目の前に置く。
何だか、けっこう買ってきているようだ。
コンビニでの買い物とは思えないくらいに大きかった。
「…………ええと、おにぎりでしょ、サンドイッチでしょ、パンでしょ、飲むゼリーでしょ、お弁当でしょ、ケーキでしょ、甘いお菓子でしょ、しょっぱいお菓子でしょ…………あと、飲み物が珈琲でしょ、フルーツジュースでしょ、ヨーグルトでしょ、野菜ジュースでしょ、お茶でしょ…………とにかく何でもござれ!さあ、食いたいもん取って!」
他にもいろいろ入っていて、以下略されてしまった。
私は、おにぎりと珈琲とチョコレートを手に取った。
「じゃあ、遠慮なくいただきます。」
「んじゃあ、私はこっちな!」
綾さんはニヤリとしながら別の袋を出して、その中から中華まんを取り出した。
「はい!こっちも。」
私の手の上に熱々の中華まんが放られる。
「アツツっ!」
思わず、他の手に持っていたものを全部落としてしまった。
「温かいやつから先に食おうな。」
ニッコリと笑う綾さん。
行動は雑なのに、気持ちはとっても優しい。
「…………何で?」
「え?」
「何で、私のこと構ってくれるの?」
私は、思わず、ずっと訊けないでいた質問を投げ掛けていた。
私は真剣な質問だということが伝わるように、真剣な表情で綾さんを見詰める。
綾さんはそんな私を見て、かぶり付こうとしていた中華まんを下ろした。
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