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薄いシャツ越しに由莉は
僕の胸の突起にカリカリと爪を立てた。
「由莉さんっ……」
そこはすぐに小さく尖って
洋服越しでも分かるほどぷくりと膨らむ。
「ダメ……」
僕の身体はあの日以来
すっかり感じやすくなった。
いや虜にされたと言った方がいいかもしれない。
「なんで?」
顔を赤らめながらも
僕は静かに首を横に振る。
「だって僕のは今……」
言いにくそうにしていると
思い出したように由莉は『ああ』と唇を尖らせた。
「冬馬の奴な――」
手を引っ込めて
舌打ち交じり兄の名を呼ぶ。
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