第7章

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薄いシャツ越しに由莉は 僕の胸の突起にカリカリと爪を立てた。 「由莉さんっ……」 そこはすぐに小さく尖って 洋服越しでも分かるほどぷくりと膨らむ。 「ダメ……」 僕の身体はあの日以来 すっかり感じやすくなった。 いや虜にされたと言った方がいいかもしれない。 「なんで?」 顔を赤らめながらも 僕は静かに首を横に振る。 「だって僕のは今……」 言いにくそうにしていると 思い出したように由莉は『ああ』と唇を尖らせた。 「冬馬の奴な――」 手を引っ込めて 舌打ち交じり兄の名を呼ぶ。
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