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「自分のいない間はおまえに貞操帯を嵌めとくなんて」
まったくよく考えたもんだと――由莉は肩をすくめた。
「鍵までかけて。信用ないんですね」
「俺がか?」
「ええ」
「まあ否めないな」
孔雀が餌を啄ばんだ。
長いミミズかなにかだ。
「不自由じゃないのか?」
「まあ、それほどは」
上手く飲み込めず苦労している姿は
他人事とは思えず何だか笑えた。
「それじゃ今日の事も内緒にしておけよ?」
「言いませんよ。僕も自分の身が可愛いですから」
短い間だが冬馬が相当に嫉妬深く
独占欲が強いのは分かった。
反対に由莉の方は何でもゲーム感覚で
何をしていてもどこか冷めたところがあった。
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