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無限ループ
前世ですでに憔悴しきっていた私は、カレより5年早く命を落とすことになる。
そして…
再びXX遺伝子の受精卵に入ろうとする自分の魂に必死に抗った。
もちろん、男に生まれ変わるために。
それは、地球の重力に逆らうのに似て、不可能かに思われた。
しかし、何かの力が働いたのか、奇跡的にXY遺伝子をもつ受精卵を選ぶことが出来た。
もしかしたらこれは、天から下された蜘蛛の糸だったのかもしれない。
運命に逆らって、必死に昇って辿り着いた先、そんな感覚だった。
それなのに。
まさかカレが女に生まれ変わっているなんて。
結婚前と後で、毎回人格が変わるカレからは、永遠に逃れられない。
これは、私のせいなのだろうか…
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