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何度もキスを繰り返し、一人にしないよって伝えたつもりだった。
『誰か』がふわりと笑って、そのまま身を乗り出して手とつないだまま川に飛び込む。所々氷のはった水の中、その誰かは俺とつないでいた手を離し、突き飛ばす。そのくちびるはありがとう、と動いていた。
この世から去るのは自分だけで良いと言いたかったのだろうか?
でも、俺はずっと一緒にいる約束を……ああ。
そして記憶の空白が続き、眠りから目が覚めたのは春を迎える頃だった。
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