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「──友恵」
なんて懐かしいのでしょう。子供が生まれてから私の事を"母さん”と呼んで、孫ができてからは"ばあさん”と呼んで、何十年ぶりに名前を呼んでくれたのかしら。やっぱり名前を呼ばれるのは嬉しいもの。
「お前が、可愛がった人たちがみんないるよ…友恵…こんな男についてきてくれてありがとうな…長い間世話になったなぁ」
たくさんの私を呼ぶ声が聞こえる。
愛した人たちの声が。
ボロボロと大粒の涙がこぼれ落ちる。貴方のそんな顔はじめて見ました。泣いてくれるのね。私の為に。悲しんでくれるのね。寂しくさせてしまうわ。でも、そんな顔をしないで。
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