10キロも太るんじゃなかった。

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 近所のコンビニで、小学校の頃の同級生の男子がバイトをしている夢を見た。それだけでなんか気まずくなって、そこのコンビニに行きにくくなった。  それからしばらく経って、コンビニのコピー機に用事ができてまたそこのコンビニに行ったら、勿論夢に出てきた同級生はいなかった。  夢に出てきた同級生って、そもそも小学校六年間で一度も同じクラスになったことがない。話したことも多分ない。こっそり好きだったわけでもないし、同級生ってだけの他人だった。  平々凡々に六年を過ごした私のことなんて、きっと、ああそういえばあんなヤツいたなぁくらいだろうし、何も気にすることなんてないんだろうけど。どちらかといえば田舎なこの場所だと、前科があるのだ。  前に知り合いの仕事の手伝いに行ったら、いた。夢に出てきた同級生とはまた別の同級生。名札をしてたのが多分、運の尽きだった。私がその男子を見て「あっ」って思ったとき、その男子も「あっ」みたいな顔をして顔をそらした。その一瞬だけだから会話もないし、そもそも仲良くもなかったから会話があっても困る。  友達でもない同級生なんて、ただ気まずいだけだ。  ある日の夜に、飲み会帰りの父を迎えに行ったご褒美にコンビニスイーツを目当てにコンビニに行った。  また「あっ」だ。夢に出てきた小学校の同級生はいない。いないけど、彼女の胸元の名札に書いてある苗字は確実に、私の中学校の時の同級生と同じもの。ああ、顔立ちもあまり変わっていない。  今では茶色に染まった髪の、所謂イケてるグループだった彼女はクラスも部活も被ったことがないけど、名前だけは覚えてる。  彼女は私を見ても何も思わないかもしれないけど、私はまたコンビニに行きにくくなってしまった。でも多分、次の父の飲み会の日にはまたこのコンビニでプリンを物色しているんだろう。
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