17.[番外編 リ、リアリィ?~really?~]注文の多いキャバクラ店

18/22
174人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「リリカ…もういい、解禁する、許す。 蓮様を、ごふっ、し…躾けて差し上げろ」 「OK、かしこまり!」 私は仁王立ちになり、 ベルトをヒュルンと床に打ちつける。 RENは歓喜の表情で身震いしながら、 Bさんを即座に解放した。 「川尻、お前みたいな下っ端にな、 俺の趣味を奪われたくねえっつうの」 「れ…蓮様、俺を組員だと知ってて…」 「当たり前だろ。組員は大事な家族だ」 「有り難き幸せ、もう死んでもいいッス」 大事な家族なのに、殴るのか?? なんかもうワケワカンナイしッ。 「石川…本名は石橋蓮!! 早くそこで四つん這いになりなさいッ」 私はそう言い放ち、 もう一度ベルトで床を打つ。 このままでは、 本業の方に遅刻してしまいそうだからだ。 「ち、違うよリリカ。本名は石川蓮だ。 初代が占い師に相談して、 『石橋組』という名に決定したらしい。 …あ、これ豆知識な。 川は流れちゃうだろ? だから組の存続を願い、 人と人を繋ぐ『橋』のようであれという 願いを込めて『石橋組』にしたんだと」 ど、どーでもイイわッ。 ヤケクソで3回ほどベルトで尻を叩く。 「はうん、はうっ、はあああ。 やっぱリリカの躾は容赦なくて…最高」 「私もう本業の出勤時間が迫ってるので、 これにて失礼致しますッ」 慌てる私に、RENが恍惚の表情で言う。 「俺のプジョーで送るジョー」 「ええっ」 「電車よか早いだろ?」 「で、でもっ」 たぶん出版社周辺には中田さんの 警護チームがいるはずで。 それとニアミスするのを避けたかった …のだが、遅刻はもっと避けたかった。 「さあ、行くジョー」 「よ、宜しくお願いします」 ラクな方に流されていく自分が憎い。 などと反省しつつも、 私はRENについて行くのだ。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!