第1章 向き合え、遥真!

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「あ゛ぁ~…あっぢぃ~…」 自宅のフローリングの床に寝転び、扇風機の風を顔中に浴びる。 (扇風機に向かって話すと宇宙人の声になるって、昔よくやってたな。) そんなくだらないことを考えながら、風力を強に上げる。途端に顔に吹き付ける強風。これだこれ。 至極のニート生活。これぞ、夏休み中の学生の特権… 「こら、遥真(はるま)!!夏休みだからっていつまでもぐーたらしてんじゃねぇ!」 唐突に頭上から声が降り注いだかと思うと、途端にすねに蹴りを入れられた。 弁慶の泣き所を容赦なく蹴られ、俺は今度は痛みで転げまわる。 「いっ…でぇぇぇっ!!!なにすんだよ姉貴!!」 俺…”水無月 遥真”(みなづき はるま)は涙目ですねを押さえて、自らを蹴飛ばした張本人である ”水無月 優香”(みなづき ゆかり)を睨みつけた。
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