第1章 向き合え、遥真!

3/6
前へ
/15ページ
次へ
「なにって、のうのうとニート生活送ってる弟くんに、喝(かつ)を入れてあげただけだけど?」 悪びれもせず、むしろ「感謝しろよ」とばかりにツンツンと足を軽く蹴ってくる。 「はぁ!?いま夏休みじゃん!!少しぐらいぐーたらしてもよくね!?」 (俺今ものすごい正論言った!!)と喜んだのも束の間、姉貴は俺の渾身の反論を鼻で笑って 「宿題が終わってればいいけどねぇ?」 とグサリとくる一言を投げつけた。 カウンターをモロに食らった俺の頭の中に、姉貴に蹴り飛ばされてリングに倒れる自分が浮かぶ。 一発KO。勝ち目なし。俺はため息をつきながら、快適な床からゆっくりと起き上がった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加