第1章 向き合え、遥真!

4/6
前へ
/15ページ
次へ
大きく伸びを一つして、首をコキリと鳴らす。余談だが…俺が首を鳴らすことに特に意味はない。 まぁ、そういう癖があるということだ。カッコ付けなどではない。断じて。 そうやって何度もコキコキやっている俺を見て、姉貴は余計な、本当に余計な一言を漏らす。 「あんたのその首鳴らす癖って…もしかしてカッコイイと思ってやってる?」 グキッ。 「ぐふっ」 おい姉貴、何を言うか。驚いて変な方向に首を曲げてしまったじゃないか。 ていうか痛い。いたたたたたたたた 「あ…姉貴…しっぷ…湿布とって…」 「図星刺されて動揺して首痛めるとか…我が弟ながらアホだねぇ~」 湿布を俺の首に貼りながら姉貴がため息をつく。誰のせいだ誰の…って違う。図星なんか刺されて いない。動揺なんかしてない。これはアレだ。その…あの…えーっと……。…。 「さぁーて!!宿題頑張ろっかな~!!」 断じて、断じて認めたわけではない。俺はただ、やるべきことをやることに集中しただけだ。うん。 姉貴はそんな俺を可哀想な目で見ると、もう一度、今度はさっきよりも深いため息を吐き出した。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加