3人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺だって…YDK《やればできるこ》だ!!しゃあ、やってやる!!」
そうやって無理やり自らのやる気に火をつけた俺は、意気揚々と椅子に座り、最初の悪魔に手を付けようと筆箱に手を伸ばした…のだが、
「え?は?」
…筆箱がない。俺の大好きな「血飛沫舞う日の相性占い」という漫画のキャラ、川端龍征をモチーフにした赤い筆箱。俺のとても大事なもの。それが…
「なぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!?!?」
嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ!!なんで!?落とした!?もしかしてぬ、盗まれ…!?
「…ハッ!!」
そうだ、学校!!終了式の日に、引き出しに入れっぱなしにしてしまった気が…!!
急いで外出できる服装に着替え、階段を駆け下りる。一刻も早く、筆箱を…龍征を見つけなくては!!
「姉貴!!ちょっと学校行ってくる!!」
「お?おう…いってらー。ってなんで学校?」
姉貴の質問に答える暇も惜しく、体当たりするかのような勢いで玄関のドアを開け、チャリにまたがって全力でペダルを漕いだ。学校までは約10分だ。
「ごめんな…!待ってろよ龍征!!今迎えに行く!!」
最初のコメントを投稿しよう!