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いつまでも侑弥をおんぶしている那智に、そろそろ下ろしていいんじゃない?と言うと、「寝かせる部屋がわからん!」と言われ、とにかく荷物だけ置いて一緒に部屋を見に行く。
「部屋聞いてるの?」
「入り口からまっすぐ行って突き当りを右。二番目の部屋って言われたんだが、ここだよな?」
「うん。でも、なんで那智さんがおんぶしてたの?」
「栞を俺が抱いて運ぶわけには行かないだろ?叔母上に任せてもよかったんだが、面白がって括りつけてきたんだよ」
「もう一枚写真撮っていい?」
「頼むから消してくれ」
ベビーベッドを見付けて、膝の上で支えて侑弥を下ろしてからベッドに寝かせると、那智の袖を掴んで離さないので、ミルクかもと近くにいた女中に頼む。
「懐かれてるね」
「まぁ、甥だからな。親戚と言ってもいとこの子になるから、言い方は面倒なんだ。従兄弟叔父なんて呼ばないだろ?」
「うん」
「だから叔父。弟の家系だから漢字だと伯父になるけど、細かいことはいいだろ。おじさんて呼ばれたらショックかもしれん。にしても肩がこるな」
「大きくなったもん。もう生まれた時の服きれないんだよ?まだ二ヶ月なのに」
「人の子でもそんなものだろう?」
「多分。でも、この部屋って玩具ばっかり。本棚には絵本もいっぱいあるけど」
「この国でいいところの家の息子だと、三歳くらいから文字や絵などを教える家が多いが、冬弥はしそうにないな」
「三歳でしょ?まだ早いよ?」
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