東の浮遊城

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ミルクが来たので飲ませ、荷解きに行くのに親狐に任せたいというと出てきてくれたので、そのまま那智と迷いながらもなんとか広間につく。 「なんだこれ……」 「荷物の山だね……」 俺のスーツケースが!と那智が嘆いている横で、祖父と三郎が到着したと女中に言われて玄関まで行き、荷物を片付けたいことを話すと、「そんなもの女中に任せておけば勝手にやる。その為の選ばれた女中じゃからの」と祖父に言われ、食堂となっている広い部屋にある椅子とテーブルの端に座って、持ち込んだジュースを飲みながら、祖父に聞かれたことを話していく。 「お爺ちゃん。やっぱり、僕のこの力が関係してるんじゃないのかな?」 「なぜそう思う?」 「だって、あんな栞さん見たことなかったし、殺気っていうか……」 「子を守ることで頭がいっぱいじゃったんだと思うが、否定はせん。冬弥にも聞いたが八尾の出せる力を超えていたそうじゃ。雪翔の力と上手く合った……えーと、リンクしたというやつじゃ」
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