1613人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんだ?その棒」
「花壇に刺してあったんだ」
「倒れないようにするやつか」
「多分。僕、これ欲しい」
「はぁ?そんな物どうするんだよ」
「うん……使えないかなーって思って。それより用事じゃないの?」
「あ、そうだった。広間に集まれって言われたから迎えに来た。ちょうど見かけたし」
「なんだろう?」
那智と広間に行くと、昴と胡蝶も座っており、「ここじゃ」と胡蝶に呼ばれて隣に座る。
「よう無事であったな」
「栞さんが助けてくれたから……」
「彼女はもう大丈夫じゃ。妾とあの子狐とで治したからの」
「もう起きてるの?」
「一度目は覚めたが、疲れておるのであろ。また眠っておる」
「そっか……」
「そんなに暗い顔をせずとも良い。怪我がなくて何よりじゃ」
「うん……」
「雪翔、その棒はなんだ?」
「那智さんにも聞かれたんだけど、僕、試したい事があって、さっき花壇でこれ見つけて。貰ってきちゃった」
「何に使うのかは知らんが、気をつけて持てよ?」
「うん、分かった」
最初のコメントを投稿しよう!