東の浮遊城

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話していたら冬弥が「やはりここでしたか」と隣に腰を下ろしてくる。 「雪翔が怒るのも無理はありません。最初は私も反対したんですから。前にもあったでしょう?勝手に決めないでくれと。ですが、父上なりに雪翔が心配なんですよ」 「わかってる。でもずっとここにいるのは嫌だ」 「ですがまたあちらで何かあったらと思うと、私も昴さんもこれ以上反対できません」 見てて。と冬弥に言って車椅子に仕込んだ五芒星を発動させる。 「冬弥さん、なんでもいいから攻撃してみて。石投げるだけでもいいから」 「む、息子にそんなこと出来ません!」 「大丈夫だから!お願い」 そばにあった石を車椅子目がけて投げてもらうと、コンという音とともに落ち、小さな光の玉を足元に投げられたがそれも通過せず、少し考えたのだろうが、いくつもの光の玉を飛ばしたあと、重次を投げてきたが、それでも微動だにしない。 五芒星をとき、「これでも……僕が非力で守られるだけの子供だっていうならここに居てもいい。でも、少しでも認めてくれるなら、冬休みが終わったら帰らせてほしい。なんでも相談しようって、話をしようって言ったのは嘘だったの?」 「雪翔、いつの間に……」 「手加減してくれることはわかってたんだ。僕も長くあの状態でいられないし逃げられないから、白や黒の力を借りないといけないし。護法童子や金達、僕が認めた人はこの中に入れるし干渉できるみたい。まだそこまでしか分かってないけど」
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