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なんとかみんなが祖父を説得してくれたと、紫狐からの連絡を受けたのが真夜中。 それまで小屋のような家、本しかないと聞いていたが、明らかにがらくた置き場となっており、家で言っていた一部だとすぐにわかったので、寝る場所をとりあえず確保することから始まった。 「物的に一箇所におけそうだよね?全部隣の部屋に入れちゃう?」 「そうですね。重いものは私が移動しますから、窓を開けてください。ホコリが舞うと思います」 手分けして隣の部屋に荷物を押し込んで、箒で掃き掃除をしてから布団を敷き、竈でお湯を沸かしてお茶を入れて一服する。 「お爺ちゃん来たらどうしよう」 「教えないと思いますよ?気を探れば早いですが、今頃、どんな顔をして会えばいいのかと悩んでおられるかも知れません」 「そうかな?」 「それに……三郎、四郎、降りてきてください。バレバレですよ?」と重次がどこを見ることも無く言うと、音も立てずに二人が屋根裏から降りてきた。
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