らくがきの2冊目。

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ここはとある山の、真っ暗森と呼ばれる場所の入り口。その中から2人の兄妹が保護されました。 2人の兄妹は、両親と山登りをして10年間行方不明になっていた子供達ではないかという事で、ニュースになりました。 2人は殆ど目が見えてない様子で、両親が呼びかけても、「まだ遊びたい」と言うばかりでした。 …2人が話しかけている所に目をやると、 真っ暗森の中から、かすかに声が聞こえてきました。 「…まさかもう10年も経ってしまっていたとは思わなかった。」 「えぇぇ!!?まだ10日ぐらいしかたってなかったでしよ!?」 「真っ暗森の中と外では、時が過ぎる早さにズレがあるのよ。まぁ、熱中し過ぎて時が経つのも忘れてしまっていたのかもしれないけど。」 「…依頼に10年も掛かってしまった。これは私の失敗です。報酬はもらうわけにはいかないな。」 「いいえ、確かに外では10年過ぎてしまってたけど、2人の目は治っているわ。今はまだ視力は回復してないけど、徐々に目が見えるようになって、彼等の目にはっきりと両親が見えるようになれば、もう大丈夫よ。」 ニュースの報道が終わり、マスコミ達が帰って行った後、2人の兄妹の両親は、子供の視線に気付いて、 真っ暗森の中に居た赤い炎達に気付きました。 2人の子供と、その両親は深くおじぎをすると、 「ありがとう。本当に…見つけてくれて、ありがとう!」 と感謝して、家に帰って行きました。 赤い炎は嬉しそうな笑顔で、おじぎを返し、もう真っ暗森に近付かないように言って、暗闇の中に戻って行きました。 396ea04f-1957-4971-a15e-7c31ce78cbdc
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