番外編

2/21
前へ
/21ページ
次へ
*** 「ほーんまアヤちゃんは男見る目ないわー。こんなええ男おるのに、あんな不愛想な男とくっついて! 今からでも遅ないで? 俺にしとき。悪いこと言わんから」 となりでハンドルを握る人は、さっきからずっとこの調子だ。 憎めないし、こういうところも好きだけど、今の私は乾いた愛想笑いをするしかできない。 「なぁ、聞いとるアヤちゃん~、俺マジやって」 「……もう、山梨様は相変わらずお上手ですね」 「うわっ、ひどっ、軽く流さんとってや! それに俺のことは竜也って呼んでって言ってるやろ~?」 私の反応を面白がっているのはわかるけど、ずっとこれはさすがに疲れるというか、先が思いやられる。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

247人が本棚に入れています
本棚に追加