第一章
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口の裏側を舐められているだけなのに、泰志の舌が辿ったところからじわじわと心地良さが
伝播
(
でんぱ
)
していく。それはやがて下半身にまで訪れて力を失わせていった。 「ん、んんぅ……ん、あ…ぁふ」 潤んだ瞳で泰志を見上げる。彼の褐色の眼は色情に染まっていた。 「あのさ、千世にぃは無防備すぎるんだよね。今だって俺のこと弟としか思ってないでしょ? 俺も一人の男なんだよ」
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