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「お願いだから、俺だけを見て」
「――っ!」
(泰志も、僕と同じなんだ)
好きな人がいるのに、その人は全く別のものや人ばかり見ている。そんなもどかしさを、泰志も感じているに違いない。
(でも、僕はどうしたら……)
恋愛経験に乏しい千世には解決策を思い付くことができない。それでは千世と泰志、そして廉佳はずっとこのままでいるしかないのだろうか。そんなのは嫌だ。
「そうだ。良い事思い付いた」
千世が考えている間に泰志が何か閃いたらしい。
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