第一章

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 『ラブラブ』と言うと語弊があるが、小さい頃からよく「千世にぃ、だーいすき!」と言ってくれたことを思い出す。今でも頻繁に言われるからその言葉には慣れていたし、泰志が千世のことを兄弟として好いてくれていることも知っている。もちろん、千世も泰志のことは大好きだ。  いつの間にか千世よりも体が大きくなってしまったが、まだまだ「可愛い弟」であることに変わりはない。  だがいくら仲良し兄弟とはいえ、超えてはいけない一線はある。 「千世は俺の漫画のモデルになるの嫌か? なってくれたら、すげー助かるんだけど」 「う、うぅ……」 (そんな風に言われたら断りにくいよ……)
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