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「千世にぃにはいくら可愛いって言っても足りないよ。食べちゃいたいくらい」
「な…何言っ――んんッ」
千世の言葉が最後まで紡がれることはなかった。その代わり唇に柔らかいものが触れていて、色の薄い泰志の髪が千世の顔にかかってくる。
キスされたのだと気付くまで多分五秒はかかってしまった。
千世は衝撃のあまり何のできず、それを受け容れてしまう。
「……――ん、はっ……え?」
泰志が身体を起こす。明るくなった視界に、彼のにんまりとした顔が映った。
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