第一章

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 泰志は無意識なのかもしれないが、夢中になって役を忘れているようだ。  うっとりとした様子で告げる泰志の瞳にあられもない姿の千世が映る。 (どうしよ…気持ちいいょ、たいし……)  背徳感が消え去った訳ではない。だが、抗えない快感の波に押し流されてしまいそうだ。 「ほら。音がしてきたの、分かる?」  泰志の手元から濡れた音がして初めて先走りが零れていることに気が付いた。 「千世、そろそろイくんじゃないか?」 「そうだね。千世にぃが俺の手でイクとこ、見たいなぁ」 「ぁああ、ァ…そ、んな……ふあ、ぁああっ」
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