第一章

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「廉佳さん……こ、これも…BLの参考になるの?」 「なるなる。むしろこっからが本番」 「へ?」 「せっかくだからさ、最後までヤっちゃおうぜ」  何がせっかくなのか分からないが、廉佳はまたベッドの下に手を伸ばしてボトルのようなものを取り出して泰志に渡す。 「ほら、これ使えよ。ローション」 「廉にぃ準備よすぎ……最初からヤらせるつもりだった?」 「いやいや、俺だって二十歳の大人だよ? 部屋にこーゆーのがあったっていいだろ」 「ふーん」  二人の会話を聞いているうちに胸がもやもやしてきた。  確かに廉佳はもう大人だ。地味で子供っぽい千世とは違って彼には華がある。誰かとそういう関係になることがあっても不思議ではない。
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