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「良いよ、ほら」
廉佳がベッドの下の収納スペースから茶封筒を取り出して、その中に入っている漫画の原稿を差し出してくれた。
「ありがとー」
泰志が受け取った原稿用紙を覗き込むと、予想していたよりはるかに整った絵が目に飛び込んできた。学園ものとみられるその漫画は、いかにも優等生といった黒髪の少年と、そんな彼とは正反対の金髪の少年が主な登場人物のようだ。
「うわ、下手とか言ってたのに全然そんなことないじゃん。フツーに上手いよ」
言おうとしていたことを泰志が先に言ってしまったので、千世はうんうんと頷く。キャラクターは表情豊かで生き生きとしているし、背景の描き込みもしっかりしている。
漫画に関しては素人の千世でも、廉佳のものが下手ではないとすぐに分かった。
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