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「俺から逃げないでね、センパイ」
逃げたくても逃げられない。どこも拘束されていないのに、見えない腕に押さえつけられているかのように身体が言うことを聞かないのだ。
彼はもうただの弟ではない。
鋭い眼光で捉えられ、蛇に睨まれた蛙のようになっている千世の頭の隅を、そんな思いがよぎった。
「あ。言い忘れてたけど、バックの方が受ける側も楽だぞ」
「そうなんだ。ならセンパイもうつ伏せになろっか」
「わ…うわっ」
手早く身体を返されたかと思うと、胸はベッドに付けたまま尻を高く掲げられる。恥ずかしいところが全て晒されてしまう恥辱に、千世は顔を歪めた。
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