第一章

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 弟が反省したかと思ったのも束の間。硬く反り返った千世のものを握ってくる。  苦痛に怯む千世の気を紛らわせようとしているのだろうが、一遍に煽り立てられたらひとたまりもない。 「んぁ、ぁああ…あっ」 「ははっ――中、締め付けが弱まってきた」  そんなこと聞きたくもない。  うつ伏せになったお陰で顔を見られなくて済むのが唯一の救いだ。千世は枕をぎゅっと握り締めて、二人の方を見ないことに努める。 「あー今良い感じ。ちょっとそのままでいて」 「早くしてよね。まだ先っぽだけだけど、センパイの中めっちゃ気持ちいいんだから。早く動きたいよ」  (はた)から見ればとんでもない光景だ。兄弟のセックスを幼馴染みがスケッチしているなんて。  この時ばかりは泰志と同じく、早く描き終えてくれと心の中で拝んでいた。
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