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正直千世にはどこが悪いのか分からなかったが、プロの目は違うのだろう。そもそも普段読まないジャンルだから、設定にオリジナリティーがないと言われたところで、どんなものがありきたりな設定なのかすら不明だ。
だが彼が今まで隠してきた漫画を見せ、BL好きだということをカミングアウトしてまで千世達にモデルを頼むということは、よほど行き詰まっているはずだ。
「それで、俺たちはどんな何をやれば良いの?」
「もう二、三ページめくるとさ、出てくるだろ。その……そういうシーンが」
原稿用紙を持っていた泰志が、言われるままにページをめくる。すると、廉佳が言う『そういうシーン』が現れた。
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