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「はぁ……」
「どしたの? 溜息なんか吐いて」
「何でもな――って、泰志!?」
いつの間にか背後にいた祖母が弟と入れ替わっていて、千世は必要以上に驚いてしまう。
誰が原因の溜息なのか、彼に自覚はないようだ。
「千世にぃ怪我してるの? 俺が絆創膏貼ってあげよっか」
「い、いいよ! 自分でできるからっ」
「どこ行くの?」
「もっかい寝る!」
ばたばたと階段を駆け上がり、自分の部屋に戻ってきた千世はドアを閉めるとその場にへたり込んだ。
(ぁあ……逃げちゃ駄目なのに)
頭で理解していても、いざ本人を目の前にすると焦りと羞恥が前面に出てきて千世の身体を突き動かすのだ。
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