第一章

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 そこでは登場人物二人の思いが通じ、口付けを交わしているところだった。  性的なことに淡泊な千世は、思わず顔を赤らめてしまう。 (す、すごい……。でも男同士とはいえ恋愛モノなんだから、キスの一つや二つは当たり前なのかな?)  泰志がさらにページをめくる。 「っ!」  千世は反射的に顔を手で覆っていた。  昔から恥ずかしがり屋で、すぐ顔が赤くなってしまう上に中性的な顔立ちの千世は、女の子との接点も極端に少なかった。こんな性格だから思春期の男子が興味を持つことも、照れが(まさ)ってしまい手を出せていない。つまりは、そういうことだ。
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