第一章

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「ここで感じてる千世も見てみたいな」 「やっ……無理、だよ。……だって僕、男――っあ!」  胸の先をそっと撫でられて高い声が上がる。  まずい、このままだと昨日のようになってしまう。 「ほら、そうやって可愛い声出して。感じてるんじゃないのか?」 「ち、ちが…ぅ……んん、ん」 「そんなこと言って、お前、どんだけ可愛い顔してるか分かってんのか?」  そう言うと廉佳はもう片方の手でベッドの下を漁り始めた。  何を取り出すのかと思えば、彼の手は一冊のスケッチブックを掴んでいる。 「これ。昨日描いた千世」 「僕……?」  廉佳がスケッチブックのページをめくる。すると一枚目から、あられもない格好をした千世の絵が現れた。 「なに、これ……ほんとに僕?」
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