第一章

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 ぺらぺらと読み進めていくと、主人公と青年のキスシーンが現れた。まだ耐性がついていないので、やはり千世は顔を紅くしてしまう。 「俺はな、それを見てBLにハマったんだ」 「へぇ……」  確かに、アマチュアとは思えないほど絵は綺麗だし、殺し屋とマフィアという闇の世界で生きながらも互いのことを好きになってしまう二人の複雑な心情がリアルに描き出されている。  原作でこの二人が恋に落ちることはないのに、なぜかそれが自然だと思えてしまうほど、この本は一つの作品として高いクオリティだった。 「男同士の恋愛ってのは、友情との線引きが難しいんだ。だからこそ、純粋な愛が必要になる。男と女だと恋するのが当たり前って感じがあるだろ。そういうのって普通すぎるというか、凡庸なんだよな~」
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